これは、私がオーストラリアに留学をしていたときにキャンピングカーで1ヶ月ほど旅に出たときに見つけた標識です。南オーストラリア州から北部準州にかけて続くStuart Highwayの一本道に突然「牛に注意」と日本語で書かれた標識が表れました。この日本語のフォントというか文字が何とも言えない手書感があり、私の心を引きつけました。さらに、ドイツ語で"tiere am weg"と書かれています。
ただ、ここの広大な大地、どこを見渡しても牛の気配を感じることができませんでした。
一日に100台通るかどうかわからないような道路に突然の日本語、そんなに日本人が多いのか?なんて思ったりしますが、この道路はソーラーカーレースが行なわれる有名な道路で、日本チームが毎年出場し、好成績を収めています。だからなのでしょうかねぇ。
世界中には3000とか5000とか1万の言語が存在すると言われていますが、そんな中、わざわざオーストラリアの砂漠地帯の道路に日本語での標識。不思議でなりません。
実はこの地域、日本人のバイク乗りの人たちには人気らしく、こうした標識を立てたのではないのか、とこの先にあった宿屋の女主人から聞きました。
海外にある公共の標識で日本語を見たのがここが初めてでした。
標識は視認性が重視され、「見ただけで理解できる」ということが最優先されるものです。そのため、多くの標識は絵や図でわかってもらう(ピクトグラム)ように作られています。そのため、注意書きを文字にしてしまうとその文字を理解する人だけにしかわかりません。例えば、ドラム缶にドクロのマークが貼られていたら、近づいて中をのぞいてみようなんて思ったりしませんよね。つまり、ドクロ=危険と自分の言語に置き換えて考えたりします。でも、「毒」と書かれていたら漢字を知らない文化圏からやってきた人は理解できずに、中をのぞいて大惨事になったりするかもしれません。
そのように考えると、この標識で日本語が洗濯されているというのは非常に興味深いことです。標識を他言語化することはいいことなのですが、そこで表される言語は恣意的に選択されているということを知らなければなりません。
(倉林秀男)
ただ、ここの広大な大地、どこを見渡しても牛の気配を感じることができませんでした。
一日に100台通るかどうかわからないような道路に突然の日本語、そんなに日本人が多いのか?なんて思ったりしますが、この道路はソーラーカーレースが行なわれる有名な道路で、日本チームが毎年出場し、好成績を収めています。だからなのでしょうかねぇ。
世界中には3000とか5000とか1万の言語が存在すると言われていますが、そんな中、わざわざオーストラリアの砂漠地帯の道路に日本語での標識。不思議でなりません。
実はこの地域、日本人のバイク乗りの人たちには人気らしく、こうした標識を立てたのではないのか、とこの先にあった宿屋の女主人から聞きました。
海外にある公共の標識で日本語を見たのがここが初めてでした。
標識は視認性が重視され、「見ただけで理解できる」ということが最優先されるものです。そのため、多くの標識は絵や図でわかってもらう(ピクトグラム)ように作られています。そのため、注意書きを文字にしてしまうとその文字を理解する人だけにしかわかりません。例えば、ドラム缶にドクロのマークが貼られていたら、近づいて中をのぞいてみようなんて思ったりしませんよね。つまり、ドクロ=危険と自分の言語に置き換えて考えたりします。でも、「毒」と書かれていたら漢字を知らない文化圏からやってきた人は理解できずに、中をのぞいて大惨事になったりするかもしれません。
そのように考えると、この標識で日本語が洗濯されているというのは非常に興味深いことです。標識を他言語化することはいいことなのですが、そこで表される言語は恣意的に選択されているということを知らなければなりません。
(倉林秀男)